編入勉強記録

編入勉強始めたばっかの人の日記

有限次元ベクトル空間の時の面白い定理、命題1

久しぶりです・・・・

最近もちゃんと勉強してます。特に数学中心ですが。

最近は線形代数も徐々に難しくなってきて進むのが遅くなってきてます。

遅くなってるのには微分積分も平行してやってるからっていうのもあるけど。

最近では英語もやらなくちゃいけないなぁと思い始めてるので数学の洋書で勉強でもしようかな・・・w

 

線形代数では今、表現行列や直和に関してやっているんだけども表現行列がこれまた強者でなかなか理解できず苦労してます。

次の章が”固有値”なんで早く進みたいところです。

微分積分はラングよりももっと厳密にやりたいとかいう願望が出てきてしまってサイエンス社の笠原・微分積分をやってます。安い上に意外とわかりやすい。

 

ところで今日はメモ変わりに線形代数についての証明を羅列してきます。頑張って少しの知識さえあれば(多分)行間を埋めずに済むように証明を書きます。

とは言ってもベクトル空間Vの部分空間Wの基底を拡大したVの基底が存在することや、Vの任意の元はVの基底の一次結合によって表されるということくらいは既知である必要があるけど。

 

まず有限次元ベクトル空間の際に有用な、次元定理から

 

V,Wをベクトル空間とし、Vは有限次元であるとする。そのとき、線形写像F:V \to Wにおいて

dim(ImF)+dim(KerF)=dimV

が成り立つ。

 

証明

FVからWへの零写像の場合

任意のv \in Vに対して、F(v)=0.

よってKerF=V,ImF=\{0\}となるので、dimV=nとすると、dim(ImF)=0,dim(KerF)=nが成り立つ。

よって、dim(ImF)+dim(KerF)=dimV

写像でない場合

dim(KerF)=s,dimV=n(s\lt n)とする。KerFの一つの基底を\{v_1, \cdots ,v_s\}とすれば、それを拡大したVの基底\{v_1, \cdots ,v_s,u_1, \cdots ,u_r \}が存在する。(ただしs+r=n)

もしF単射ならば、F(v)=0(v \in V)となるv0に限るのでKerF=\{0\},ImF=Vが成り立つ。

よって、F全射のとき

F(u_1)=w_1, \cdots , F(u_r)=w_r

とおく。\{w_1, \cdots , w_r \}ImFの基底であることが示されれば、dim(ImF)=r=n-sとなって証明が完了する。

まず、\{w_1, \cdots , w_r \}ImFの生成元であることを示す。

vVの任意の元とすれば、

v=a_1v_1+\cdots+a_sv_s+b_1u_1+\cdots+b_ru_r

となるような実数a_i,b_j(i=1,\cdots,s;j=1,\cdots,r)が存在し、v_i \in KerF (i=1,\cdots,s)であるから、F(v_i)=0(i=1,\cdots,s)となる。よって、

F(v)=b_1F(u_1)+\cdots+b_rF(u_r)=b_1w_1+\cdots+b_rw_r

すなわちImFの任意の元F(v)w_1,\cdots,w_rの1次結合となる。

ゆえにw_1,\cdots,w_rImFの生成元である。

次にw_1,\cdots,w_rが1次独立であることを示す。

1次独立であるための条件は、c_1,\cdots,c_rをある実数とすると、

c_1w_1+\cdots+c_rw_r=0

を満たすc_1,\cdots,c_r0のみであることである。

さて、この左辺はc_1F(u_1)+\cdots+c_rF(u_r)=F(c_1u_1+\cdots+c_ru_r)に等しいから、c_1u_1+\cdots+c_ru_rKerFに属す。

よって、c_1u_1+\cdots+c_ru_rKerFの基底\{v_1, \cdots ,v_s\}によって

c_1u_1+\cdots+c_ru_r=d_1v_1+\cdots+d_sv_s

と表される。ここでd_1,\cdots,d_sは適当な実数。

これより、

(-d_1)v_1+\cdots+(-d_s)v_s+c_1u_1+\cdots+c_ru_r=0

となるが、v_1, \cdots ,v_s,u_1, \cdots ,u_rVの基底であり、1次独立であるから、d_1,\cdots,d_s,c_1,\cdots,c_rは全て0でなければならない。

ゆえに、w_1,\cdots,w_rは1次独立である。したがって、w_1,\cdots,w_rImFの一つの基底であることが証明された。

ゆえに、ImFの次元はr=n-sに等しい。

証明終

 

Fを有限次元ベクトル空間Vの線形変換とする。次の4つの条件は互いに同等である

(i)V=ImF⊕KerF

(ii)ImF \cap KerF=\{0\}

(iii)KerF^{2}=KerF

(iv)ImF^{2}=ImF

 

証明

(i) \Rightarrow (ii)

もしImF \cap KerF0以外の元vを含むならば、v

v=v+0; v∈ImF , 0∈KerF

v=v+0; 0∈ImF , v∈KerF

と2通りに表されるので、VImFKerFの直和で表されるという仮定に反する。

よってImF \cap KerF=\{0\}でなければならない。

 

(ii) \Rightarrow (iii)

x∈KerF^2とする。F^2(x)=0より、F(F(x))=0.

F(x)=v∈ImFとすると、F(v)=0より、v∈KerF.よってF(x)=ImF∩KerF=\{0\}

F(x)=0より、KerF^2=KerF.

 

(iii) \Rightarrow (iv)

ImF^2⊂ImF.次元定理を使うと

dimV=dim(ImF)+dim(KerF)

dimV=dim(ImF^2)+dim(KerF^2)

となる。仮定よりdim(KerF)=dim(KerF^2)が成り立つので

dim(ImF)=dim(ImF^2)

でなければならない。よってImF^2=ImF.

 

(iv) \Rightarrow (iii)

先と同様。KerF^2⊃KerF.次元定理を使うと

dimV=dim(ImF)+dim(KerF)

dimV=dim(ImF^2)+dim(KerF^2)

となる。仮定よりdim(ImF^2)=dim(ImF)が成り立つので

dim(KerF)=dim(KerF^2)

でなければならない。よってKerF^2=KerF.

 

(ii) \Rightarrow (i)

\{ u_1,\cdots , u_k \} : KerFの基底

 \{ v_1, \cdots , v_l \} : ImFの基底

ImF∩KerF=\{0\}よりKerFの基底とImFの基底の一次独立性が言える。

よって、

 \{ u_1, \cdots , u_k,v_1,\cdots ,v_l \}Vの基底とすることができる。

よってV=ImF⊕KerF.

 

(iii) \Rightarrow (ii)

y∈ImF∩KerFとする。y=0 \cap y =F(x) (\exists x \in V)

F^2(x)=F(F(x))=0より、x \in KerF^2 = KerF.また、y=F(x)=0

よってImF \cap KerF=\{0\}

証明終

 

(iii) \Rightarrow (ii)の証明はyxFによる写像先であることに注意すればわかると思う。

次元定理の証明では松坂・線形代数を参照しました。その証明の行間を埋めて紹介という感じです。

二つ目の命題は何に使えるのかはわからないけど何か有用そう・・・。次は微分積分に関して自分に理解が曖昧なところの証明を(曖昧でなくするために)頑張って書こうと思います。それでは